
あの革命的SF映画『ブレードランナー』が、新たな<奇跡>を起こす 2049年、貧困と病気が蔓延するカリフォルニア。人間と見分けのつかない《レプリカント》が労働力として製造され、人間社会と危うい共存関係を保っている――それが『ブレードランナー 2049』の舞台である。 フィリップ・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」を原作に、SFとフィルム・ノアールを融合し、それまで存在しなかったジャンルを確立したリドリー・スコット監督の『ブレードランナー』(1982)。時代の先駆けとなり、いまなお語り継がれている『ブレードランナー』は映画の世界だけに留まらず、テレビ、音楽、アート、ファッションなどあらゆるカルチャーに影響をもたらし、その後35年間というもの『ブレードランナー』が打ち立てたSF映画の金字塔の座は揺るぎない。 そして、いま、ついに待望の続編が登場した。舞台設定は30年後。前作で描かれていた人間とテクノロジーの境界線、都市の衰退、気候変動、遺伝子工学、格差社会などの問題は、より現代においては現実的となっているからこそ、ここで追求しているテーマは、もはやSFのジャンルを超えて、深遠な「人間と魂」のありかたに踏み込んでいる。時代がこの続編の登場を選んだのではなく、作品が「いま」を選んだとも言えるだろう。 しかも、『ブレードランナー』信奉者であることを自他共に認めるドゥニ・ヴィルヌーヴが監督を務め、リドリー・スコットが製作総指揮にまわり、前作の主演ハリソン・フォードが再びブレードランナーのデッカード役に臨む。奇跡の結集が、現実のものとなった。 『ブレードランナー 2049』の登場は、映画史における画期的“事件”なのだ。 SFのジャンエルを超え、人間の魂のあり方に迫る--‐ 一流のスタッフ・キャストが打ち立てた今世紀の金字塔 主人公、K(ライアン・ゴズリング)は、レプリカントを<解任>するという日常業務を淡々とこなす孤独なブレードランナー。ところがある事件をきっかけに決して踏み込んではならない領域に足を踏み入れ、その秘密を暴く鍵となる男にたどり着く。その男は30年間行方不明になっていたかつてのブレードランナー、デッカード(ハリソン・フォード)だった。デッカードが命をかけて守り続けてきた<秘密>を辿るKの旅は、「人間とレプリカントを分ける価値観とは何か?」から始まり、命の量と質、魂の本質を問い、前作からのテーマをさらに深く、力強く観るものに突きつけていく。 『メッセージ』でアカデミー賞にノミネートされた監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは、映画史上の記念碑的作品『ブレードランナー』の続編という、もっともチャレンジングな創作にあたり、前作を深く理解している者でしかなし得ない完璧な手腕で、不可能を成し遂げた。 この新たな奇跡を成功させたのは、ヴィルヌーヴ始め、本作にかかわるすべての人間の、前作へのリスペクトから生まれた揺るぎない自信と献身に他ならない。脚本には前作『ブレードランナー』の脚本を手がけたハンプトン・ファンチャーが、リドリー・スコット監督『エイリアン:コヴェナント』の脚本のマイケル・グリーンと共同で担当。撮影はヴィルヌーヴとは『プリズナーズ』『ボーダーライン』でコンビを組み13回ものアカデミー賞ノミネート歴を持つロジャー・ディーキンス。2049年のビジュアルを前作の世界観を引き継ぎながら発展させたプロダクション・デザインは3度のアカデミー賞に輝くデニス・ガスナー。前作のビジュアル・デザインを手がけたシド・ミードもコンセプト・アーティストとして参加している。 主人公Kに扮する『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞ノミネートされたライアン・ゴズリングと、かつてのブレードランナー、デッカードを演じたハリソン・フォードを囲む助演陣には、実力派とフレッシュな顔ぶれが揃った。LAPDでのKの上司ジョシに『ワンダーウーマン』のベテラン、ロビン・ライト。レプリカント開発に力を注ぐニアンダー・ウォレスに『スーサイド・スクワット』のジャレッド・レトが緊張感あふれる演技を見せる一方、Kに敵対するウォレスの腹心の女レプリカント、ラヴにオランダ出身で『鑑定士と顔のない依頼人』のシルヴィア・フークス、Kが唯一心を許すジョイには『スクランブル』のアナ・デ・アルマスが花を添える。 この他、前作を引き継いだ形の、思いもかけないキャラクターの登場と、ヴァンゲリスの楽曲が、興奮と驚きと、ある種の哀愁とともにファンの心に深く刻まれるだろう。
2049年、ロサンゼルス。 一面に広がるソーラーパネルの上空を、スピナーが一機郊外へ向って飛んでいく。乗っているのは一人のブレードランナー、K(ライアン・ゴズリング)。降り立ったのは、人気のない農場だ。 防護服を着た一人の農夫が作業をしている。Kは彼に気づかれないように家屋へ入っていく。仕事を終え帰宅した農夫、サッパー・モートン(デイヴ・バウティスタ)は、Kの予期せぬ訪問にも動揺を見せない。長い間身を潜めてきた旧型レプリカント、ネクサス8として、ついにブレードランナーに追い詰められ最期のときが来たことを悟っていたのだろうか。Kとの闘いに挑み、射殺される。 Kはドローンに農場の周辺を上空から撮影させ、警察無線でLAPD(ロサンゼルス市警察)のジョシ(ロビン・ライト)へレプリカント解任の任務終了報告を済ませるとロスの街へと戻る。 帰宅したKを待っているのはジョイ(アナ・デ・アルマス)。孤独なKの相談相手でもあり、恋人でもある。食後の安らぎのひとときを雨の降る屋上で過ごしているとジョシからボイスメッセージが。ドローンが撮影した映像の中から、不審な箱を発見し回収したところ、30年前に埋葬されたと思われるレプリカントの骨が発見されたという。 ジョシは、その骨に、危ういバランスで保たれている人間とレプリカントの社会を崩壊させる危険性を感じ、Kに骨のルーツを探り、危険分子を探し出して解任するように指令を下す。 Kはまず骨と共に残された毛髪から、旧型レプリカントのデータを調べるためウォレス社に赴く。対応したのはネクサス9のエリート、ラヴ(シルヴィア・フークス)だ。タイレル社を買収し、現在の発展をもたらしたウォレス(ジャレッド・レト)に盲目的献身を捧げているラヴは、レプリカントでありながらウォレスから全権委任されており、タイレル社の機密アーカイブにアクセスし、2022年の大停電で損なわれたデータを復元する。そこで再生されたのは、30年前に忽然と姿を消したブレードランナー デッカードと、旧型レプリカントとのテスト音声だった。 デッカードの行方を追おうと、Kは、デッカードの昔の同僚の男を老人ホームに訪ねる。折り紙を折っていたその老人は「デッカードは望みを手に入れこの世界から消えた」とだけ告げるが、居場所についてはなんの手がかりも得られなかった。 行き詰まったKは再びサッパーの家を調べ、箱が埋められていた樹の根元に彫られた数字を発見する。「6 10 21」。それはKの誕生日でもあった。これは単なる偶然なのか。あるいはなにか封印されていた秘密への鍵なのか。 いつものありふれた捜査だったはずの任務が、自らのアイデンティティを探る様相を帯び、Kは何かに突き動かされるように、LAPDのDNA保管室で「6 10 21」生まれのデータを調べる。そこから導き出されたある孤児院で、強烈な放射線に汚染された木製のおもちゃの馬を手に入れ、デッカードの居場所の手がかりを見出したKは、いまでは無人となってしまった荒廃した街ラスベガスへ向かう。 一方、新型レプリカントを大量に生産(繁殖)し、宇宙コロニーのさらなる繁栄をもくろむウォレスにとっては、骨に隠された真実とデッカードの行方は、警察に握られてはいけないものだった。ウォレスに忠誠を尽くすラブは秘かにKの後を追う。 そして、ついにKは30年間身を隠していたリック・デッカード(ハリソン・フォード)との対面を果たす。果たして、デッカードは30年間何を守り続けていたのか? 人間と《レプリカント》、2つの世界の秩序を崩壊させ、人類存亡に関わる<真実>が今、明かされようとしている。
監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 製作総指揮:リドリー・スコット 撮影:ロジャー・ディーキンス 出演:ライアン・ゴズリング、ハリソン・フォード、ロビン・ライト、ジャレッド・レト、アナ・デ・アルマス、シルヴィア・フークス、カーラ・ジュリ、マッケンジー・デイヴィス、バーカッド・アブディ、レニー・ジェームズ、デイヴ・バウティスタ 配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
