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学校の怪談

学校の怪談

1995年7月8日(土)公開
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Introduction

超ベストセラー初の本格映画化 1983年の夏に出現した〈口裂け女〉や〈人面犬〉の噂は、子供たちの間から生まれ、全国的に広がりました。90年代という世紀末の時代、その噂の蔓延は今がピークになっています。  振り返れば、日本の長い歴史の中で、各々の時代の末期には必ず怪談話が流行しました。平安時代には「日本霊異記」「今昔物語集」、室町末期には真珠庵本の「百鬼夜行図」、さらに江戸時代の文化・文政年間にも「百鬼夜行図」がさまざまな物語本で大流行しています。  これらの時代に共通するのは、平安=末法思想の流行、室町=応仁・文明の乱、江戸=流行(はやり)神・流行(はやり)仏の流行というように、いずれも政治的空白時期であり、一見華やかな風潮の裏では社会不安が増大しているということです。これは現代社会のかかえる問題と酷似しています。そして、そんな時代の雰囲気に最もヴィヴィッドに反応したのが子供たちではないでしょうか。  この数年、書店、コンビニ、KIOSK等で学校の怪談話を扱った書籍が急激に増えています。その火付け役となったのが、この映画の原作です。常光徹の「学校の怪談」(講談社)は6巻で100万部を、日本民話の会編纂の“学校の怪談シリーズ”(ポプラ社)は18巻で300万部をそれぞれ越えるベストセラーとなっています。  この部数をもとに、友達同士の回し読み、兄弟、両親への浸透度、コンビニ、KIOSK、ファミリー・レストランに至るまでの普及、そして全国に約40,000館弱ある図書館や学校の図書室での閲覧率を概算すると、この原作は延べ2,000万人以上が読んでいるという数字がでてきます。総務庁の94年度推定人口調査によると小中高生の人数は1,920万人ですので、小中高生はほぼ全員、このどちらかの原作を読んでいるか認知しているということになるのです。  また、両シリーズで、本の中に読者からの投稿ハガキを付けたところ、なんと1万通以上の子供たちからの返事が届いたということ、さらにはコミックや、テレビ、ビデオに至る怪談ものの爆発的な増加からも、ブームの浸透ぶりが十分うかがえます。  事実、94年10月の子供から40代の大人までを対象にした調査によれば、全体の約75%が通っている(いた)学校に何らかの怪談話が「ある」「あった」と回答しています。また、「学校の怪談」の中の著名なオパケの個々の認知度では90%を越えるものもあります。  こうした一連の現象は93年5月24日付の朝日新聞教育欄をはじめとして、各メジャー紙の婦人家庭欄や文化欄、さらにはテレビをはじめとする各メディアから多大な注目を集めています。子供から端を発して大人をも巻き込んだ一大ブームの中、学校の怪談話を完全映像化した決定版がこの『学校の怪談』なのです。 心暖まる冒険ファンタジーの誕生  日常、子供たちが仲間同士で話していた怪談が、クラスから学校全体へ、やがては全国へと自然発生的に広がったブームについて、児童文学作家の松谷みよ子さんはこう語っています。 「子供は怪談話をすることで、その不気味さに恐怖すると同時に、管理された世界からの解放感を楽しんでいるのだと思います。怪談は…(中略)…遊びの要素も多いものです。」(読売新聞 94年12月13日より)  子供たちは“遊び心”と“恐怖心”を見事に合体させました。その結果登場したのが、〈花子さん〉〈テケテケ〉〈人面犬〉〈口裂け女〉〈メリ-さん〉〈ムラサキパパア〉などのさまざまな妖怪キャラクターです。それらは、古くからある民話が現代の血を通わせた話として再生産されたものです。そこには現代の厳しい管理教育下に置かれ独創性を奪われてしまった子供たちの、満たされない創造力=創造力の自由奔放な躍動をみることができます。  この映画『学校の怪談』は、そんな子供たちの未知なるものへの好奇心、怖くて不思議な体験への興味――さらには、それらによってはぐくまれた自由奔放な創造力を心暖まる冒険ファンタジーとして結実させました。 ファミリー・エンターテインメント  明日から夏休みという一学期の終業式の日、不思議な現象によって学校の旧校舎に閉じ込められてしまった先生と子供たちが、そこでさまざまな妖怪や怪奇現象に出会って、コワ~イ体験をするというのが、この映画のストーリーです。  先程の松谷みよ子さんは同じ記事の中でこうも語っています。  「子供が子供なりに死者を悼み、恐れる心を感じます…(中略)…人間としてとても健康なことだと思います。」 “死者を悼む心”とは子供たちなりの独特のヒューマニズムの表れであり、自分たちの中にある恐れや脅えと真正面から向き合うことでしょう。ロブ・ライナー監督のあの名作『スタンド・バイ・ミー』のように、この作品でも、子供たちは現代ではもう失われてしまった冒険やスリルを通して、そのような恐怖に打ち勝つ克己心、さらには夢や勇気をもつことの大切さを知り、そしてついにはかけがえのない友情を蘇らせます。それは、親たちにとっても、忘れかけていた少年少女のころの思い出を喚起するものとなり、日本映画として近年にない家族揃って楽しめるファミリ-・エンターテインメント・ピクチャーとなるのです。  ここには、原作で子供たちにはおなじみの怪談話やそのキャラクターがぞくぞくと登場します。いままでは、子供たちの心の中でしか存在しなかった妖怪たちが、スクリーンに出現するさまは、子供たちを驚喜させるばがJでなく、大人たちをもおおいに楽しませることでしょう。  スタッフ・キャスト  子供たちはもちろんのこと、大人も楽しめるニュー・ファミリー・エンターテインメント作品をめざし、スタッフも若手の実力派が揃いました。監督には『ザ・中学教師』で1992年度の監督協会新人賞を獲得した平山秀幸。受賞作で見せた子供たちを等身大で描き出す確かな演出力と、抜群の映像感覚は、本作品でもいかんなく発揮されています。  また、脚本は『お引っ越し』の奥寺佐渡子を抜擢。恐怖とスリルを味わう子供たちの生態を生き生きと描き出します。そして撮影は『ザ・中学教師』『毎日が夏休み』『es』の柴崎幸三、美術は『乳房』『病は気から』の中澤克巳、照明は『きらきらひかる』『写楽』の水野研-、録音は『教祖誕生』『熱帯楽園倶楽部』の宮本久幸、編集は『ヌードの夜』『ヒーローインタビュー』の川島章正というベスト・スタッフ。企画・製作は『それから』『快盗ルビイ』『どっちにするの。』『おいしい結婚』『毎日が夏休み』の藤峰貞利とサンダンス・カンパニー。その企画から東宝との提携作品が実現した。  さらにSFXは、この言葉自体を日本に定着させ、ハリウッドの特撮ノウハウのほとんどを紹介した中子真治をSFXプロデューサーとして迎え入れ、斬新な映像を創り出します。  こうしたスタッフに加え、キャストも充実。主演はTVの世界で俳優としての力を着実につけ、今やそのフィールドを広げつつある野村宏伸。87年の『恋人たちの時刻』以来の映画主演となりますが、待ちに待った7年ぶりの作品となります。  共演にはTVの「あすなろ白書」などで舌躍中の杉山亜矢子。透明感と存在感が同居する新鮮な個性が、スクリーンでより輝きを増します。さらに舞台で培った抜群のユーモアのセンスで知られるWAHAHA本舗の佐藤正宏。その怪演ぶりは注目の的となります。  この三人のほかに、700人以上に及ぶオーディションで選び抜かれた個性豊かな子供たちが自由奔放な演技で加わり、さらに最高のスタッフが映像化する妖怪キャラクターがからんで、日本映画にこれまでなかったファミリー・ファンタジー映画が誕生しました。

Credit

監督:平山秀幸 原作:常光徹「日本民話の会」 製作:藤峰貞利(古澤利夫)、高井英幸 共同プロデューサー:木村典代 脚本:奥寺佐渡子 撮影:柴崎幸三 美術:中澤克巳 照明:水野研一 録音:宮本久幸 編集:川島章正 SFXプロデューサー:中子真治 出演:野村宏伸、杉山亜矢子、佐藤正宏、笹野高史、余貴美子、遠山真澄、米澤史織、熱田一、塚田純一郎、町田昇平・耕平、岡本綾 企画:サンダンス・カンパニー 配給:東宝 <受賞リスト/1995年度> ■ゴールデングロス賞 銀賞・話題賞 受賞

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