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メッセージ

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2017年5月19日(金)公開
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Introduction

ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の才能が光る異色の感動SF大作  世界でも最も歴史のある映画専門誌の“世界のベスト映画監督”という評論家によるアンケートで、1位のクリント・イーストウッドに次いで2位に選出されたドゥニ・ヴィルヌーヴ。『ボーダーライン』『プリズナーズ』で手堅い演出力を見せ、『ブレードランナー』の続編である『ブレードランナー 2049』の監督に抜擢されたことからもハリウッドの期待の高さがわかる。もっとも、『メッセージ』の原作「あなたの人生の物語」の作者、テッド・チャンは「ドゥニが監督した『灼熱の魂』を見て、この映画化の話を真摯に受けとめることができた。いわゆるハリウッド流のSF映画だったら、たぶん無視していただろうね」と言う。戦下のレバノンを舞台にした『灼熱の魂』。ギリシャ悲劇の「オイディプス」を彷彿させる骨太の人間ドラマが評価され、この監督なら新しいSF映画を撮ってくれるだろう、と思わせたのか。  実際、2016年秋のベネチア映画祭でコンペティション部内で上映された『メッセージ』は、『ラ・ラ・ランド』等と並ぶ高い評価を得た。同映画祭は数年前に『ゼロ・グラビティ』を「全く新しいSF映画の誕生」と評して、後のオスカー・レースへの足がかりになったが、『メッセージ』は「SF映画として新しいだけでなく、人はどう生きるべきかの命題をつきつけた」として、テレンス・マリック監督の『ツリー・オブ・ライフ』と比較するレビューもあったほど。  もちろん、「SF映画を作るのが夢だった」と言うヴィルヌーヴ監督にとって、テッド・チャンの原作は理想的題材だったが、幾層もの視点と時空が行き来するストーリーは、映像化するのは難しいかった」と正直に明かす。この悩みを解決したのが作家でもある脚本家のエリック・ハイセラー。ヴィルヌーヴ監督によると、「彼はチャンの小説を見事に扱い、プロセスの中にテンションとドラマを作り出して、驚くほどいい脚本に仕立てたよ」とか。  監督がヴィルヌーヴになったことで、エイミー・アダムスが演じるヒロインの言語学者、ルイーズのキャラクターにより深みが出たことも指摘しておきたい。ヴィルヌーヴは、先述の『灼熱の魂』のルブナ・アザバル、『ボーダーライン』のエミリー・ブラントも、一見強そうに映るヒロインたちのもろさ、繊細さを丁寧にすくいとっている。彼が今、女優たちの圧倒的な支持を受けているのは当然。こうしてベネチア映画祭をスタートに、世界各国で高く評価され、各映画賞の候補に名を連ねただけでなく、全米では興行的にも成功を収めた。   時空を超えたあまりに予想外のラストが、 驚きとともに胸を締め付けられる感動を呼ぶ  ある日、地球外の何処かからそれまで見たことがないような物がやって来る―。この出だしから繋がっていくのは、それらはいつ、誰に見つかるのか、地球人に対して友好的なのか否か、それらがやってきた目的は何か、ならば地球の我々はどう動けばいいのか……。大まかに分けると、こういったストーリーラインが考えられる。が、ヴィルヌーヴ監督自身、「あの短編小説のどこが気に入ったかというと、多層的なところなんだ」と語るように、既存のSF物の方程式に収まり切らないところが『メッセージ』最大の魅力と言えるだろう。ヴィルヌーヴはこうも言葉を続ける。「特に心の底に響いたのは、誰かが死とコンタクトをとっているということだ。自分がいつ、どんな風に死ぬかとわかったらどうなるか。人生、愛、家族、友人、社会との関係はどうなるのか」。  実際、本作で心をえぐられそうになるのは、「地球が滅亡する!!」と大騒ぎする数え切れない人々の姿ではなく、何よりも愛する存在である娘の未来―しかもそれは既に知られているものだが―に思いを馳せるヒロインの表情だ。「トロイアの女たち」の予言者カッサンドラは、自分の悲惨な最期を視てしまって気がふれるが、ルイーズは淡々と運命に立ち向かう。それは、地球に飛来したヘプタポッドの言葉を研究し、彼らの時間の概念や存在意義を学ぶうちに、物事にはスタート地点と終点と一直線に結ぶラインとはまた違う、“ 径(みち)”があると知るからだ。ヴィルヌーヴ監督は「僕にとってこの物語は、死や自然、命の謎との関係を取り戻すための方法」とまで言及しているが、ルイーズの心情の変化こそ、まさにそれだ。パーソナルな物語なのだ。  こうして哲学的な領域にまで足を踏み入れながらも、本作が非常に今日的なのは、宇宙船、ヘプタポッドを敵視して各々で総攻撃しようとする各国の姿勢。彼らもルイーズの国アメリカと同じように、独自に研究を重ねているはずなのに、誰一人としてそれを皆で共有しようと提案しない。これは運良く自分たちのテクノロジーで撃退できれば、地球上の戦いに転用できるという計算あってのこと。このあたり、月や他の星まで資源獲得の地と目論見始めた昨今の大国事情にもリンクして、滑稽だけど、考えてみたらかなり恐ろしい。  逆に、ヘプタポッドと対峙していくうちにルイーズと物理学者のイアンが心を通わせ合うようになるのが、もう一つの感動に繋がっていく。 アカデミー賞受賞&ノミネートのスタッフ・キャスト!  2017年(第89回)のオスカー戦線「大番狂わせ!」として、ノミネーション発表1時間でニュースにしたNYタイムズの記事にもあるように、各映画賞で必ず主演女優賞候補になっていたエイミー・アダムスがノミネートされなかったことは人々に衝撃をもたらした。そうでもなくとも、これまでアカデミー賞に5度ノミネートされ、ゴールデングローブ賞を2度獲得している演技派。トム・フォード監督の2作目『Nocturnal Animals』でも『メッセージ』とは全く違う役柄で強い印象を残し、両作品で参加したベネチア映画祭でも大いに注目されていた。  イアン役でヒロインをサポートするジェレミ―・レナーも2回のアカデミー賞ノミネートを誇る。本作では突っ走りがちなヒロインの側でプロ意識を持って見守り、表には出ないところで、ある大きな出来事の共犯者になるという重要な役回り。ウェバー大佐役のフォレスト・ウィテカーも『ラスト・キング・オブ・スコットランド』でアカデミー主演男優賞を始め、各演技賞を総なめにしている。演技だけでなく、プロデュース、監督で若い才能のサポートに力を入れてるハリウッドの重鎮の一人。  スタッフも一流どころばかり。監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは前出の『灼熱の魂』で第83回アカデミー賞の外国語映画賞にノミネート。『メッセージ』で第89回アカデミー賞監督賞候補になったのは記憶に新しい。2017年はさらに『ブレードランナー 2049』も。  脚色のエリック・ハイセラーは既に『ハリケンアワー』での監督デビューを経験。再びテッド・チャンの短編小説を元にした『Understand』の企画も進んでいる。  ロジャー・ディーキンスの代打として起用された撮影監督のブラッドフォード・ヤングが素晴らしい仕事をしたことに異論を唱える人はいないだろう。へプタポットの文字の動きのようなSF的画像と、ルイーズの回想に見られる、非常にパーソナルな映像がバランスよく合体されている。プロダクション・デザイナーのパトリス・ヴァ―メットはヴィルヌーヴ監督とこれまで3作でコラボレーションしており、本作が4度目、編集のジョー・ウォーカーも『ボーダーライン』に続いて2度目のヴィルヌーヴ作品となる。スティーヴ・マックィーン監督とのパートナーシップも知られていて3作で一緒に仕事をしている。  作曲はアイスランド出身のヨハン・ヨハンソンで、ヴィルヌーヴ監督とは『プリズナーズ』『ボーダーライン』でも仕事を、なお、本作ではマックス・リヒターがメインテーマ曲を提供、テクノ調のメロディライン、リズムが印象に残る。

Story

 湖畔の家で独りで住むルイーズ・バンクス(エイミー・アダムス)は言語学者。時おり娘ハンナとの何気ない日常が脳裏に浮かぶが、ハンナの年齢はその都度違う。反抗期のティーンエイジャーだったり、いたいけな赤ん坊だったり、どうやらハンナは、今はもういないようだ。  ある日、地球の様々な場所に大きな宇宙船のような物体が出現する。すわ、地球の一大事とばかりに交戦の準備をし始める国もあれば、相手の出方をうかがおうとする国もあり、共通して言えるのは、互いに協力し合って事に当たろうという気運が高まらないということだ。そんな状況の中、ルイーズは国家から協力を要請される。宇宙船の彼らの発する音や波動から彼らの言語を解明すること。彼らに何らかの手段でこちらのメッセージを伝えること。相手に明確な言語があるかどうかわからない中、ルイーズの試行錯誤が続く。スタッフとして召集された中には、物理学の見地から事に当たるようにオファーされたイアン(ジェレミー・レナー)もいた。スタッフは、ウェバー大佐(フォレスト・ウィテカー)に急かされながらも、少しずつ相手との距離を縮めていく。  忙しくなればなるほど、娘ハンナの思い出は色濃く見えるルイーズ。なぜあの時ハンナに頼まれた宿題を見てあげなかったのか、数学なら別れた夫(ハンナにとってはパパ)の方が詳しいから、「彼に電話して聞いて!」なんて、心ない言い方をしてしまった。でも私の夫って?  相変わらずTVは世界各地からの宇宙船の映像を映している。しびれを切らした中国が、どうやら核攻撃をしようとしているらしい。まるでターザンとジェーンの会話のように、自分を指して「人類」というところからコミュニケートの端緒をつかんだルイーズ。彼らにはタコの足にも似たものがあって、そこから彼らをヘプタポッドと呼ぶようにした。その足のような手のようなものの先端から彼らは図形を吐き出す。これが彼らの言葉?刻々変化する図形にはある規則性が見られることもわかった。それらをコンピュータに打ち込んで、ついに会話もで出来るようになると、ルイーズとイアンはそれらの2体にアボットとコステロというニックネームを付ける。相変わらず政府や軍はヘプタポッドが地球を攻めようとしているのでは、と疑っているが。  そんな時だった。ヘプタポッドと会話をするうちに、彼らの時間の概念と自分たちのそれとが大きく違っていることに気付かつかされたのは。まるでアインシュタインの相対性理論の進化形の如く、彼らはあることを提案してルイーズたちを驚かせる。そこで明らかにされる真実は3000年後の地球のことも現在と同じ座標軸にあった。そこでは過去は過去ではなく、未来は未来でもない。ルイーズは彼らの言語を研究し理解するにつれ、自らの人生における経年も、今まで生きてきた時間軸の概念を超越したものになっていくことを知る。自分に及ぼされた彼らの影響にルイーズは混乱するが、今わかった過去が未来にやってくるとわかっていても、私は愛することをやめないだろう。最終決断による中国の行動を止めるために、ルイーズはイアンを使って、思い切った賭けに出る。はたしてルイーズの行動は、地球を救えるのか?彼女自身も救うことはできるのか?

Credit

監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ 原作:テッド・チャン「あなたの人生の物語」 音楽:ヨハン・ヨハンソン 出演:エイミー・アダムス、ジェレミー・レナー、フォレスト・ウィテカー、マイケル・スタールバーグ、マーク・オブライエン 配給:ソニー・ピクチャーズ エンターテインメント

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